おはなしりぼん2001春号 |
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市民ユニットりぼんの2000年度の報告と
2001年度のめざすもの |
2000年度は介護保険制度の開始に伴い、NPO法人市民ユニットりぼんの事業も大きく転換しました。従来からの「ACT会員むけ自立援助事業」に加えて介護保険の事業として「訪問介護」「居宅介護支援」「通所介護」の3事業を新たに開始しました。 介護保険に移行する利用者さんに継続してサービスが提供できたらまずは良し、と考えてスタートした初年度でしたが、利用件数は3部門共順調に推移し当初の予想をはるかに越える事業規模となりました。訪問介護のケア時間は年間で約10,000時間、ACT他を合わせると18,000時間となり前年比の1.5倍の伸びとなりました。
サービス内容をみても全国的に家事援助に需要が集中したといわれているなかで「身体介護」が3割、「複合」まで加えると5割を超え、残り4割が「家事援助」という実績となりました。
居宅介護支援事業も二人のケアマネージャーがそれぞれ10人づつというところからスタートしましたが、今や100人ほどのケアプランを担当。関係する事業者は五十事業所をこえました。
通所介護(ディサービス)は利用者さん2人というところから始まりましたが月を追うごとに増え、1日の定員5人の所を7人に変更し利用希望に応えてきました。
介護保険以前の6年間の活動をふまえ、それぞれの事業ごとに職員の質の向上を図るとともに、現場からの報告をもとに課題の共有化を図りケアの質を高める努力をしてきました。大きな事故もなく無事1年を終えることができましたことを報告いたします。
2001年度は理事会の構成メンバーに利用当事者の方が加わっていただけることとなりました。当初から「利用者の立場に立ったサービスを提供すること」を心がけて来ましたが、理事会に「当事者の生の声」を届けていただけることで 更にサービスの質を高めて行けたらと考えています。
又、昨年度末に日本財団から車椅子対応車両の寄付を受けました。車椅子で生活する方々の外出のお手伝いができたらと新に「移送サービス」の準備も始めます。
2000年度の事業から見えてきた課題の解決を図り、又介護保険制度についてもモニタリングの役割を果たすことで地域福祉推進の一翼を担っていきたいと思います。
市民ユニットりぼん代表 大森一美 |
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我が家の家探し |
マンション住まいだった頃を思うと懐かしさと同時に(よく頑張っていたな)という複雑な、どちらかというと辛い思いがこみあげてきます。2階が玄関になっていて一直線に階段がついているという障害者にとっては最悪な作りでしたから…。
家を探すポイントは、とにかく、車椅子で生活できることでした。自力で車椅子を動かすことはできませんが介護をするに当りどのように作れば良いかを第一に考えました。
まず、玄関まで楽に行く為に道路からスロープを作ることができる低い敷地を捜しました。低いだけではだめで、長さが必要なので奥行きのある土地を捜したのです。スロープは最低5メートル必要でした。自分で車椅子をこぐ場合は8メートル必要だということです。
次に家の中は敷居や段差を無くし、ドアは引き戸にしました。まだ我が家は車椅子で家の中を移動することはしていませんが、住人の誰にとっても住み心地は極めて好評です。風呂場と洗面所と台所を横並びにして介護し易くしました。また、一階は極力部屋数を減らし壁の部分も少なくし襖は開け広げることが出来るようにしました。トイレも階段下を利用して奥行きがあるので車椅子でも入ることが出来そうです。このことで生活動線がすっきりして暮らしやすくなりました。
ただし、空間が広いので冬は暖房費、夏は冷房費がかさみます。それから、予算に余裕があったら是非家庭用のエレベーターを付けておくことをお勧めします。身体が不自由だと介護者がいても二階に行くことは無理です。暮らして行くうちにあれこれと不便さを感じてくるとは思いますが今のところ満足しています。 |
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どうする! どうなる? 介助犬 |
3月29日、井上さん親子と諏訪は雨のなか、介助犬協会へ行ってきました。
現在、盲導犬協会から来た四頭の犬が訓練を受けています。犬・猫・鳥に興味のない犬は盲導犬に、物に興味があり、人と何かをするのが好きな犬は介助犬に向いているそうです。介助犬になる犬は、生後二ヶ月頃から一才半まで人間の愛情を知るためにパピーウォカーと呼ばれる一般家庭に預けられ、半年から一年の訓練期間を経てユーザーのもとに行きます。訓練するトレーナーは訓練期間の間、犬とともに生活しますが、その環境は決して快適なものとはいえません。というのも、現在、行政からの援助が無いので、すべての経費は、賛助会費・寄付金・バザーの売上げ・家庭犬のしつけ教室の収入。スタッフのボランティアによるものなのでまかなわれているため、厳しい運営状況になっているのです。
また、日本は障害者のためのバリアフリーが整っていないので介助犬同伴で入れる店は少なく、しかも、いくらかのマナーの悪い飼い主がいるため、犬そのものが理解されなくなってきています。トレーナーは自立できる仕事ではなく、トレーナーの数も充分とはいえません。これらの原因が働く犬の普及を妨げています。
この厳しい現状を改善する為には、介助犬に対する理解を深め、協力することが大事なのではないでしょうか。 |
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