おはなしりぼん2007春号
 
 
地域包括支援センターをご存知ですか?
 
 平成18年4月に介護保険制度が改正され一年が経ちました。
 大きく変わったところは、認定の区分により介護サービスと介護予防サービスに分けられ介護予防を重視する仕組みになったことです。
 そして地域で暮らす高齢者を介護・福祉・健康・医療などさまざまな面から総合的に支えるため地域包括支援センターが創設されました。
 
 地域包括支援センターは高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるように必要な援助・支援を行うために設置された地域の中核機関で市から業務を委託された法人が運営し、保健師または看護師・社会福祉士・主任介護支援専門員などで構成されています。
 八王子市には12箇所の地域包括支援センターがあります。今回は上壱分方町東京天使病院クリニック2階にある地域包括支援センター元八王子に伺い、活動内容や課題・これから力を入れていきたいことなどをお聞きしてきました。
 
 業務の比重としては介護予防プランが六〜七割をしめていますが、介護予防教室の開催や高齢者見守りネットワーク作り・高齢者や家族からの相談・ケアマネージャーからの相談も増えているそうです。
 
 介護予防教室は2ヶ月に一回3カ所で定期的に行なっている他、様々なテーマの講演会や体操教室など不定期に開いています。
 市街地から離れている地区では遠くに行けないお年寄りが集まり、体操教室や輪投げなどのゲーム・映画・竹細工など楽しみ、お年寄り同士がお互いに元気を確認できる場を提供することで、心身の活性化や地域のネットワークづくりになっています。

 高齢者・家族の相談では「介護保険を使いたいがどうしたら良いか分からない。」「物忘れがひどいが認知症だろうか」「病院へ行きたがらない」など介護の悩みが多いのですが、最近は民生委員やケアマネージャーから虐待関連の相談も増えています。


 現在の課題としては地域包括支援センターが何をするところなのか地域の皆さんに知られていないことで、町会の回覧板で回して 貰ったり・チラシを市民センターに置いて貰ったりしているそうです。

 今年度力を入れていきたいことは「高齢者の集まれる場をもっと増やしていく」ことで、地域包括支援センターとしては集える場所づくりの初めのきっかけを作り、その後地域のふれあいサロンとして継続していけることを目指しているそうです。
「民生委員や町会の方・若い人・退職後の活動の場としても参加してもらい、地域の高齢者をみんなで支えていくネットワークを作っていきたい。」と話していただきました。

 高齢化が進み益々高齢者は増えていきますが、要介護状態にならないよう、また介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らしていきたい。その思いを実現していくためにも地域包括支援センターの担う役割は大きいと感じました。
 お隣に誰が住んでいるか分からないような時代ですが、だからこそ地域の中で声をかけ合い、高齢者を見守り支えられる地域の輪が出来ていけば一人暮らしでも安心して暮らしていけると思いました。

地域包括支援センターの業務内容
総合相談支援
高齢者の相談を受け様々な制度や地域資源を活用した総合的な支援を行う
権利擁護・虐待早期発見防止
高齢者の人権や財産を守るため成年後見制度の紹介や虐待の早期発見防止を進める。
包括的継続的支援
医療・福祉・介護の事業所やボランティア団体等と連携し、様々な方面から支援する。
また地域のケアマネージャーの支援 をする。
介護予防ケアマネージメント
要支援1・2の方のケアプラン作成や介護が必要になるおそれのある高齢者のための予防事業を行う。